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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第21章 嘆きの報復
・
向かい合う二人の顔をバルギリーは交互に覗き込み、従者のもとへの案内をルイスに急かしていた。
豊かな資源
たわわに実った果実達
豊富に水上げされる魚介類
―――のはずだった…
ルバール王国市街地――
その街から少し離れた南西の上空を、おどろおどろしく渦巻く暗雲が包み込んでいた…
広がる黒い雲は海の波を荒立て嵐を呼び起こす。
山に掛かる黒い魔の手は大事な資源となる樹々をなぎ倒し獣達の行き場を無惨に奪うと、鉱山の塊を粉々に打ち砕いた。
激しい増悪のうねり。
視界を濁す黒い霧。それは辺りを覆うだけで色付いた果物達を萎らせ大事な水分を搾りとっていく。
生き物達の命を吸い上げながら放射上に広がり行く巨大な黒い雲の中からは、ギラりと鈍く光る二つの目がひっそりと覗いていた…
どこにいる……
我の力となる源
我を破壊に導くもの…
もっとも醜きもの
気配がする
“あれ”は近くにいる…
“あれ”が滅ぶ時
我の欲しかったものが手に入る…
もうすぐだ………
この苦しい世界から解き放たれるのも……もう…すぐ……だ…
向かい合う二人の顔をバルギリーは交互に覗き込み、従者のもとへの案内をルイスに急かしていた。
豊かな資源
たわわに実った果実達
豊富に水上げされる魚介類
―――のはずだった…
ルバール王国市街地――
その街から少し離れた南西の上空を、おどろおどろしく渦巻く暗雲が包み込んでいた…
広がる黒い雲は海の波を荒立て嵐を呼び起こす。
山に掛かる黒い魔の手は大事な資源となる樹々をなぎ倒し獣達の行き場を無惨に奪うと、鉱山の塊を粉々に打ち砕いた。
激しい増悪のうねり。
視界を濁す黒い霧。それは辺りを覆うだけで色付いた果物達を萎らせ大事な水分を搾りとっていく。
生き物達の命を吸い上げながら放射上に広がり行く巨大な黒い雲の中からは、ギラりと鈍く光る二つの目がひっそりと覗いていた…
どこにいる……
我の力となる源
我を破壊に導くもの…
もっとも醜きもの
気配がする
“あれ”は近くにいる…
“あれ”が滅ぶ時
我の欲しかったものが手に入る…
もうすぐだ………
この苦しい世界から解き放たれるのも……もう…すぐ……だ…