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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第22章 悲しみの幕開け


「細っこいが、これでも闘技会の準優勝者だ」

「なにっ?…この国の闘技会なら有名だ…いつも上位に名を上げるのは各国の兵(つわもの)ばかりだと……」


「そうだ…神に選ばれるだけはあるだろ?
その証拠に不思議な宝剣も持ってるしな。俺様もその剣のお陰で従者に負けた一人だと言って置こうか?」

「――っ!? レオを負かしたと……それはまことの話しか?」


カムイはアルを見つめたまま難しい顔つきで無言になった。

「アル。前に話しただろう? 南の国の大災害のことを……こちらはその国の村の酋長だ」


後ろでコソコソと話しをするレオ達を気に掛けていたアルにルイスはそう紹介した。

「南の国………あっ!」

覚えてる…隊長さんがあたしに伝説について尋ねて来た日……


「思い出したか? 収穫目前の黄金の稲穂……我々、ルバールの民も恩恵を受けていたあの国の……大地の民とも呼ばれているナジャ族の酋長だ」

「酋長、さん…」

呟くアルにカムイは手を差し出していた。
使い込まれた手の平の皮膚の厚さが土と伴に生活してきたことを物語る。
アルはカムイの手を握り返しながら懐かしさを感じていた。

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