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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第25章 密葬
アルの頬を指先でなぞりながらロイドの唇が優しく緩んだ。
アル……
お前の寝顔を眺めるのはこれで何度目だろうか
お前を連れて行きたいところがあるんだ…
ロイドはアルを優しく見つめた。
明日は楽しみにしてたお祭りだろ?…相変わらず寝ぼすけだな、いつまで眠るつもりだ?
なあ…アル…
明日は手を繋いで賑わう街を二人で歩こう
俺の身たてたブルーのワンピースを着て…
そうだ――
美味いビスケットの店にも連れて行ってやるよ
そしたら、楽しそうにはしゃぐアルとクランベルの丘に佇む教会で…
――…っ
「……っ…アル…何も誓えなくてもいい…っ…」
途端に唇が震え声が出る。
もう求めないっ
ただ、笑ってくれるだけでいい
それ以上を求めたりはしないから…
目を覚ましてくれっ――
アルの髪に触れる指がどうしても震えてしまう。
急に込み上げた息苦しさに胸が締め付けられ、ロイドの瞳に涙が溢れた。