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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第25章 密葬
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ロイドはそれに気付くことなく急いで遺跡を出ると振り返る余裕もなく湖を後にした。
望まぬ事態。一番避けたかった時が訪れてしまった──
静かだった院内には慌ただしい足音が響き渡っていた。
シェラからの知らせを聞き会議を中断したルイス達はアルの病室へと急いだ。
誰一人、言葉を交わさず無言で足を早める。信じたくはない。冗談であって欲しい。そんな微かな望みだけを頼りに祈りながらアルの元へ向かっていた。
全力を出すには短すぎる距離。だが、そこに居た皆の息がこれ以上は続かぬというほどに上がりきっていた。
肩で激しく息をつき、病室の前に辿り着くとルイスはドアを破るように開けた。
その瞬間ルイス達は胸をえぐられた思いだった。
ルイスはそれ以上前に進む事が出来ず入口で脚がすくんだ。
室内に飛び込んだルイスの目に映ったのは、泣き崩れるようにして必死にアルの心臓を蘇生しようとするルーカスの姿だった。
そしてアルは強い刺激に眉一つ動かさない。
「アルッ──!」
一気に崩れた顔をルイスは両手で覆い、絶叫するようにアルの名を叫んだ。
ロイドはそれに気付くことなく急いで遺跡を出ると振り返る余裕もなく湖を後にした。
望まぬ事態。一番避けたかった時が訪れてしまった──
静かだった院内には慌ただしい足音が響き渡っていた。
シェラからの知らせを聞き会議を中断したルイス達はアルの病室へと急いだ。
誰一人、言葉を交わさず無言で足を早める。信じたくはない。冗談であって欲しい。そんな微かな望みだけを頼りに祈りながらアルの元へ向かっていた。
全力を出すには短すぎる距離。だが、そこに居た皆の息がこれ以上は続かぬというほどに上がりきっていた。
肩で激しく息をつき、病室の前に辿り着くとルイスはドアを破るように開けた。
その瞬間ルイス達は胸をえぐられた思いだった。
ルイスはそれ以上前に進む事が出来ず入口で脚がすくんだ。
室内に飛び込んだルイスの目に映ったのは、泣き崩れるようにして必死にアルの心臓を蘇生しようとするルーカスの姿だった。
そしてアルは強い刺激に眉一つ動かさない。
「アルッ──!」
一気に崩れた顔をルイスは両手で覆い、絶叫するようにアルの名を叫んだ。