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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第25章 密葬
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大陸全域を黒い雨雲に覆われていた東の上空に大きな雷鳴が轟いた。
その雷鳴は空を激昂し、まるで暗雲を追い払うように激しい稲光が黒い空を破り闇に包まれた街を照らし出す。
一瞬響いた地鳴りに驚くと、ロイドはびくつかせた首に違和感を覚えた。
──っ!
「ない…」
小さく呟くと、ロイドは首から下げていた筈のチョーカーの革紐を手にしていた。
そのロイドの足元には千切れてしまったアクセサリーが落ちている。
「ア、ル…」
まさか。落ちていたアクセサリーを拾い上げ、そんな嫌な予感がロイドの脳裏をよぎった。地上から聞こえてくる雨の音は止む気配一つ見せることはない。ぬかるんだ土、遺跡へと続く石橋の上に降り注ぎ水面を泡立たせる雨粒たち。
ロイドは不安気に手にしたチョーカーのアクセサリーを握り締めた。考えたくもないのに胸が騒ぐ。ロイドはコートのポケットに押し込めたチョーカーを無意識にぐっと握り締めていた。
揺れるランプの明かりの中で立ち竦むロイドの影がぼんやりと壁に映し出されている。
そこには大きな三つの壁画が浮かび上がり、獣のような双方の眼光が六つ白く輝く。
大陸全域を黒い雨雲に覆われていた東の上空に大きな雷鳴が轟いた。
その雷鳴は空を激昂し、まるで暗雲を追い払うように激しい稲光が黒い空を破り闇に包まれた街を照らし出す。
一瞬響いた地鳴りに驚くと、ロイドはびくつかせた首に違和感を覚えた。
──っ!
「ない…」
小さく呟くと、ロイドは首から下げていた筈のチョーカーの革紐を手にしていた。
そのロイドの足元には千切れてしまったアクセサリーが落ちている。
「ア、ル…」
まさか。落ちていたアクセサリーを拾い上げ、そんな嫌な予感がロイドの脳裏をよぎった。地上から聞こえてくる雨の音は止む気配一つ見せることはない。ぬかるんだ土、遺跡へと続く石橋の上に降り注ぎ水面を泡立たせる雨粒たち。
ロイドは不安気に手にしたチョーカーのアクセサリーを握り締めた。考えたくもないのに胸が騒ぐ。ロイドはコートのポケットに押し込めたチョーカーを無意識にぐっと握り締めていた。
揺れるランプの明かりの中で立ち竦むロイドの影がぼんやりと壁に映し出されている。
そこには大きな三つの壁画が浮かび上がり、獣のような双方の眼光が六つ白く輝く。