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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第25章 密葬
レオは静かにベッドの上に腰を落とした。そっと腰掛けると何も言わないアルの体を優しく抱き起こす。そして抱き締め頬を擦り寄せた。
触れ合う肌。自分の体が熱過ぎるのか、氷のようにアルの頬を冷たく感じる。無意識に遠くを見つめるレオの視界がぼんやりと歪み、溢れた水滴がゆっくりと膜を張っていく。
「アル…」
レオは囁きながら目を閉じた。その途端に強く震える唇を噛むと伏せた瞼から大粒の涙が一息に溢れた。
レオは嗚咽を飲み込むように堪えた。
「…っ…アルッ………」
助けられなかった──!
守る筈が反対に守られたっ
あの時、闇の王の前に飛び出したアルを無理にでも止めていたなら──
「すまなかっ…っ…」
詫びても詫びきれない。かすれた声は言葉にならず、レオは力のないアルの体をただ抱き締めることしか出来なかった。
静か過ぎる泣き声が室内には響いていた。
カムイ達はアルのベッドに近寄った。
「神はなんと惨いことをしなさるのか…」
綺麗な顔で眠るアルを抱きすくめ震えるレオの肩にカムイは視線を落とした。