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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第25章 密葬
・
皆の背後に佇むと老師は重く瞳を閉じていた。
大地を濡らす雨はまだまだこれからだ、とでも言いたげに強さを増す。絶望の嘆き、そしてやり場のない哀しみ。暗い闇がそこに居た者達皆を飲み込む。
そんな中で突然バタッと音がした。
「──っ!ティム!?」
マークが叫ぶ。
あまりの悲しみに耐えられず、ティムは気を失いその場に倒れた──
◇◇◇
泣かないで…
泣かないで……
大丈夫だから。
「だーかーらー、あたしは大丈夫だって!」
「でもアルッ」
「大丈夫だってば!…そりゃ痛くないって言えば嘘になるけどさっ」
数週間の眠りから目覚めたばかりのアルのベッドの脇にへばりついて、ティムは泣き腫らした顔でアルを見上げた。
長い眠りから覚めたアルは寝癖の付いたボサボサの頭を掻くと不安気な表情のティムにガッツポーズをしてみせた。
無理に肩に力を入れたせいで包帯に巻かれた傷が痛む。
アルは一瞬、顔を歪めた。
「痛っ…」
「ほらっまだ大丈夫じゃないじゃんかっ…」
気にさせることのないように無理に元気良く見せているのは分かっている。ティムは悔しさに唇をキュッと噛み締めた。
皆の背後に佇むと老師は重く瞳を閉じていた。
大地を濡らす雨はまだまだこれからだ、とでも言いたげに強さを増す。絶望の嘆き、そしてやり場のない哀しみ。暗い闇がそこに居た者達皆を飲み込む。
そんな中で突然バタッと音がした。
「──っ!ティム!?」
マークが叫ぶ。
あまりの悲しみに耐えられず、ティムは気を失いその場に倒れた──
◇◇◇
泣かないで…
泣かないで……
大丈夫だから。
「だーかーらー、あたしは大丈夫だって!」
「でもアルッ」
「大丈夫だってば!…そりゃ痛くないって言えば嘘になるけどさっ」
数週間の眠りから目覚めたばかりのアルのベッドの脇にへばりついて、ティムは泣き腫らした顔でアルを見上げた。
長い眠りから覚めたアルは寝癖の付いたボサボサの頭を掻くと不安気な表情のティムにガッツポーズをしてみせた。
無理に肩に力を入れたせいで包帯に巻かれた傷が痛む。
アルは一瞬、顔を歪めた。
「痛っ…」
「ほらっまだ大丈夫じゃないじゃんかっ…」
気にさせることのないように無理に元気良く見せているのは分かっている。ティムは悔しさに唇をキュッと噛み締めた。