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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第25章 密葬
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震える唇でアルにそっと口付けるとロイドは込み上げる悲しみに堪えられず、足早に踵を返し後ろに下がった。
子供達も放心したように棺の中のアルを見つめている。
村に居た時のような女の子の姿に戻ったアルを見て、昔の思い出が浮かんでいた。
明るくて、綺麗で、優しかったアル。
アルだけは居なくならないと思っていた。
家族を失いながらも、なぜかアルだけはずっと傍にいてくれるものだと思っていた。
アルが唯一の子供達の心の拠り所だった。
ザドルにしがみつき、子供達は泣き腫らした瞳でアルの棺を見つめる。
皆が最期の別れを惜しみながら棺に蓋をすると、空も悲しみを溢れさせたのか、また雨足が強くなっていた。
泣かないで…
みんな泣かないで…
もう…誰も…
悲しまないで──
沈んだ太陽がまた昇るように
冷たい大地にもまた陽が射すから──
悲しいままで終わる事がないように
心はすべてを味わい
そして感じて
希望という光りに変える力を持ってるから
だから
悲しい心のままで
終わらせないで…
冷たい雨は降り続く──
その雨は暗い夜を迎えても止むことはなかった……
震える唇でアルにそっと口付けるとロイドは込み上げる悲しみに堪えられず、足早に踵を返し後ろに下がった。
子供達も放心したように棺の中のアルを見つめている。
村に居た時のような女の子の姿に戻ったアルを見て、昔の思い出が浮かんでいた。
明るくて、綺麗で、優しかったアル。
アルだけは居なくならないと思っていた。
家族を失いながらも、なぜかアルだけはずっと傍にいてくれるものだと思っていた。
アルが唯一の子供達の心の拠り所だった。
ザドルにしがみつき、子供達は泣き腫らした瞳でアルの棺を見つめる。
皆が最期の別れを惜しみながら棺に蓋をすると、空も悲しみを溢れさせたのか、また雨足が強くなっていた。
泣かないで…
みんな泣かないで…
もう…誰も…
悲しまないで──
沈んだ太陽がまた昇るように
冷たい大地にもまた陽が射すから──
悲しいままで終わる事がないように
心はすべてを味わい
そして感じて
希望という光りに変える力を持ってるから
だから
悲しい心のままで
終わらせないで…
冷たい雨は降り続く──
その雨は暗い夜を迎えても止むことはなかった……