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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第25章 密葬
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しとしとと雨は降り続ける。その雨の中で鮮やかな花が咲き誇ろんでいた。
手入れの行き届いた裏庭の庭園。人の行き来が少ない場にしては相応しくない美しい花達が並んでいる。そこは、歴代の王族達が眠っている墓地だった。
少数の送り人に見守られた黒い棺の中には色白の美しい少女が静かに眠っている。
薄いピンクの紅を差した唇は艶やかで愛らしく、頬もまるで体温があるかのように、ほんのりと色付いていた。
綺麗に薄化粧をした少女はブルーのワンピースがとても似合っていた。
本当に死んでいるなんて思えない。思いたくもない。
だが、これが現実だった。
どんなに呼び掛けてもアルはもうここには居ない。
ブルーのワンピースとお揃いのリボン。付け毛がないために髪に結んであげられず、ロイドはそれをアルの左上腕の傷痕を隠すようにそっと結んだ。
ティムがプレゼントした金細工の腕輪とブルーのリボンが袖からでたアルの白い腕を飾る。
胸元にはシルバーのチョーカーと木笛が覗いていた。
「アルっ…」
チョーカーを指先でなぞりながら声が震える。冷たい頬を撫でると苦しさで胸が詰まった。
しとしとと雨は降り続ける。その雨の中で鮮やかな花が咲き誇ろんでいた。
手入れの行き届いた裏庭の庭園。人の行き来が少ない場にしては相応しくない美しい花達が並んでいる。そこは、歴代の王族達が眠っている墓地だった。
少数の送り人に見守られた黒い棺の中には色白の美しい少女が静かに眠っている。
薄いピンクの紅を差した唇は艶やかで愛らしく、頬もまるで体温があるかのように、ほんのりと色付いていた。
綺麗に薄化粧をした少女はブルーのワンピースがとても似合っていた。
本当に死んでいるなんて思えない。思いたくもない。
だが、これが現実だった。
どんなに呼び掛けてもアルはもうここには居ない。
ブルーのワンピースとお揃いのリボン。付け毛がないために髪に結んであげられず、ロイドはそれをアルの左上腕の傷痕を隠すようにそっと結んだ。
ティムがプレゼントした金細工の腕輪とブルーのリボンが袖からでたアルの白い腕を飾る。
胸元にはシルバーのチョーカーと木笛が覗いていた。
「アルっ…」
チョーカーを指先でなぞりながら声が震える。冷たい頬を撫でると苦しさで胸が詰まった。