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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第26章 選ばれし者
白い波が漂っていた
その波は穏やかな水面を撫でて泡立ちながら引いていく…
砂は銀色に輝いていた
柔らかな感触
まるでシフォンのスカーフの上を歩いているよう
白い波の向こうにはなだらかな地平線が広がっている
どこまでも
どこまでも…
ずーっと同じ
銀色の砂、白い波、柔らかな心地…
歩いても…
歩いても……
同じ。
ずっと
ずーっと…
輝く砂の道は果てしなく続いていた
“…そう
それでいいのです…
そのまま まっすぐ…
まっすぐと歩みなさい──”
何処からか声がした…
雲のない空に透き通った声が響く。
澄んだ音
とても耳に心地いい。
真っ白だった世界が急に大きく歪むと目の前の景色が鮮明に姿を現した。