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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第27章 名もなき村
「そうだな。何かあった時に一緒に居たらアルが危険だ。お前が先を行って俺達がアルに付き添う。確かお前は盾の勇者──…だった筈だ」
「なっ…」
ルイスの付け足した言葉にレオはあから様にむっとした。
そんなレオに有無を言わさぬ表情をルイスとロイドは黙って向ける。
レオは頭をぐしゃっと掻いて諦めのため息を吐いていた。
「……っ…ちっ…わあかったよ!しゃあねえな!」
ルイスの言葉は一理ある。
確実にアルを護るなら、強い盾が必要だ。
「アル、俺様が歩いた後を付いてこいよ」
「う、うん……わかった」
「それからそこの、木偶の坊二人!……アルをしっかり護りやがれ」
「言われなくてもわかってる」
ロイドは応えてレオを真っ直ぐ見据えた。
レオはそんなロイドにふん、と鼻を鳴らす。そして背を向けると微かに笑みを浮かべた。
「じゃあ……さっそく行くとするか!」
肩に担いだ二本の大剣の刃先が光る。
鼻唄を歌い、楽しげに前を歩き出したレオの背中を見送ると、ルイスとロイドは互いに頷き合う。
「さあ、アル。俺達も行こう」
肩を優しく押してルイスが促した。
二人はアルを連れてレオの直ぐ後を進みながら微かに笑みを浮かべる。
強くて勇敢なレオが居てくれる。
それはルイスやロイドにとってもとても心強い存在だった──。