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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第29章 女部族の掟
∫∫──強大な闇。その力を迎え撃つ神の従者に神々は三種の神器[剣][盾][知恵]の力を授けるため、従者の共として──すなわち勇者を使わせた。
従者の剣となる勇者には消えることなく燃える熱き愛の試練を──
従者の盾となる勇者には如何なるものも恐れぬ勇気の試練を──
従者の知恵となる勇者には何にも惑わされることなく偽らぬ慈愛の試練を──
それを乗り越えた勇者には神器の力が与えられる。
神器の力は遥か古の時代から、守護神と呼ばれる神獣がその身に宿し長きに渡りずっと守っていた──∫∫
「ルイお兄ちゃん!」
分厚い本を抱き抱え、遠くからマークが声を掛けていた。
精鋭部隊の訓練の様子を中庭から見張っていたルイスは後ろを振り返る。
何か宝物でも見つけたようにイキイキとしたマークの表情を見てルイスは、まさかとハッとした。
「何かわかったのか!?」
「うん!試練の場所が載ってたよ!たぶんそうだと思うっ」
「なにっ」
渡り廊下を駆けてくると、マークはルイスの元に辿り着くなりその場にしゃがんで重い本を膝に抱えた。