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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第29章 女部族の掟
栞を挟んでいたページを手早く捲り、マークはほらっ!と指を差す。
「地図……」
「うん」
「これっぽっちの地図じゃどの位置を記してるか……」
嬉しそうなマークにルイスは思わず苦笑い返していた。
荒野の図にポツンと小さく山が描かれている。荒野自体は独創的な図柄だが、どの国の、どの地域にあるのか。それがさっぱり掴めない。
マークはそんなルイスに一生懸命、地図に描いてある古の文字を読んで説明した。
「あのね…っ…山は火の山なんだって!…それでね!その山を守る人がいて案内してくれるって!」
「案内?……」
「うん!…でねでね、ここは剣の試練場になるんだけど従者とその試練を受ける使者二人揃ってないと辿り着かないんだ!」
「二人……」
口元に手を当てて考えたルイスにマークはうん!と大きく頷く。
「アルとロイドで出向かなきゃならないってことか……」
眉を寄せ、ぼそっと小さく口にした。
マークはまたうん!と頷く。
「絆だって!……従者との結び付きが強くないとだめなんだって!じゃなきゃこの山にも導かれないって」
マークの言葉にルイスは何かを思い出した。