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贄姫
第3章 参
瓊乱はコップの水を
上から椿の口元にばたばたと垂らした。
「ちょ…何すんのよ!」
「威勢だけはいいよな、お前は」
どこまで威勢よくいられる?
そういうと、口に含んだ水を
椿の口に流し込んだ。
やわらかい唇が強引に触れ、舌でこじ開けられたかと思うと、
瓊乱の体温で少しだけ温かくなった水が椿の口内を満たした。
今日は、散々な日だ。
周にもこうしてもらった。
そしてそれは心地よかった。
朦朧とする意識の中で、周は意地悪なくせにいつも優しい。
そして、今度はこの鬼にまで。
瓊乱はわざと楽しんでいるのか
水を移し終えて椿が呑み込んだ後も舌を絡めてきた。
そして、それを拒むすべを
椿は知らない。