この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
贄姫
第4章 肆


―――この女―――

誘っているようにしか見えない。
そんな気が彼女にはないのだが、その甘くさわやかな匂いは
思わず口に含みたくなってしまう。
そして、含んだら最後、
むさぼってしまうことも分かっていた。


契約を結んでいる彼でさえ
この匂いには一種の欲を掻き立てられる。
これは低級な妖にはさぞかしご馳走だし
どうやってでも手に入れたいと思うものが居ても、仕方がないとさえ思う。


それほどまでに、椿の身体は
甘美な匂いを発していた。


「……早く、寝ろ」


寝ると、匂いは少しは収まるようだ。


「ほら、さもないと犯すぞ」


椿は想像以上にぐったりしていた。
仕方がなく、瓊乱は椿を布団へと運ぶ。


「ずいぶんとおとなしいな。
さすがに、限界に近いか?」


それに椿は瓊乱をにらんで、プイ、と反対側を向いた。
面白くなって、
こっち向けよ、と耳に息を吹きかけると
怒って頭から布団をかぶってしまう。


芋虫みたいになったそれには興味がわかないが
面白くて、瓊乱は布団の中にもぐりこんだ。


「な、ちょっとやめて…出て行ってよ」


「うるせーな、おとなしくしろよ」


驚いて振り返った椿の身体を抱きしめ
すかさず口をふさいだ。
我慢しきれなかった。


―――まずいな、これは―――


椿との口づけは、
気を保つ努力をしなければ、
理性が吹き飛び、のめりこみそうになる。
/145ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ