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贄姫
第4章 肆
「直に触れたら、どうなるんだろうな?」
「やめて、瓊乱……」
そんなことを瓊乱が聞くわけもなく
堂々と正面から、椿のショーツに手を入れた。
「おい。こんなになるかよ普通」
まずい、と瓊乱の警鐘が鳴った。
トロトロの蜜をたたえたそこは
触れただけで欲が爆発しそうになった。
指を這わせると
ねっとりと芳しいそれが絡み付く。
椿の身体は、その少しの動きでさえ敏感に反応して
さらに蜜を溢れさせた。
たまらなくなって、蕾に触れる。
「あっいや、いやぁ、っあ!」
もがこうにも、力がなくてもがけず
身体がみだらにピクピク痙攣する。
「やだぁ、瓊乱、やめっ……あっっ」
その様に、欲情しない妖がいたら見てみたいと
本気で瓊乱は思った。
それほどまでに、神経を逆なでるほどに
その姿にたまらなくそそられた。
「…お前、分かっててやってねーよな?」
「ばか…苦しい…のっ」
唇に触れながら漏れ出る吐息を感じながら
瓊乱は椿を見つめる。
指先を動かすと身体が反応する。
「…まずいな、本当これじゃ…」
焦らせば焦らすほど
快感を覚えれば覚えるほど
椿の身体は芳しくなる。
感度は恐ろしく良好で
すでに秘部からは滝のように蜜が流れ出て
布団にまで垂れていた。
手のひらでこすると
ぬちゃ、という卑猥な音が響き
動かすと
とろみのあるそれがまとわりつく。
椿はピクピクと手の動きに合わせて
身体を動かした。
やめろ、するなと言われると
人も妖もそれを破りたくなるものだった。
人に関わってはいけない。
人と交わってはいけない。
人を喰ってはいけない。
この妖の禁忌を破っていいのが
目の前にいる贄姫ーーー椿という存在だった。
絶妙な妖と人との均衡を崩すその存在。
しかも、襲ってくれと言わんばかりに
妖にだけ芳香を放つ。
世の中の妖たちが騒ぐのは
想像以上に理解できた。