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贄姫
第4章 肆


「椿、もう1回聞かせろよ。さっきの言葉」


言いたくない。
その声さえ、もはや出てこない。


「言えるようにしてやろうか?」


瓊乱が椿に口づけをして精気を奪う。
ほんの少し奪っただけなのに、
椿の膝は崩れ落ちた。


「言えよ。ほら」


我慢など、椿はできなかった。


「瓊乱が…欲しい…」


ぞくりと、瓊乱の背中じゅうの毛が震えあがる。
水から抱き起こすと、深く口づけを交わした。


椿は狂おしいほどに
瓊乱しがみついて舌を絡めてきた。


瓊乱もそれに応えるように
2人はしばらくお互いを貪りあった。


舌先が絡みつき
離れることなどできないくらい
快楽が押し寄せてくる。


「吸え」


瓊乱の出した舌を
椿は驚くほど素直に口に含んで
ためらいながらも瓊乱を欲した。
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