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贄姫
第2章 弍
「貴様、きちんと契約は果たせよ」
「当たり前だ。契約違反になると
俺の命も無いからな。
ずいぶんとたいそうな契約だよ」
周は眉根をぐっと寄せて瓊乱を睨んだ。
そして、すまなそうに椿を見る。
「こいつのおかげで、身体はなんとも無いんだ」
「ほんとに!?」
それに、周は頷く。
「骨まで粉々だったのを治してやったんだ。
傷跡さえ残ってないぞ」
「…助かったよ。だけど…少し調子に乗りすぎだ」
それに瓊乱は楽しげに笑う。
周は怖い顔をして椿を睨んだ。
「椿、こいつをつけあがらせるな。
とっとと角を封じろ。
でないと、この鬼の邪気が強すぎて
お前に誰も近づけない」
「え!?」
「だから、今まで誰もお前の部屋に入れなかったんだよ。
こいつが結界を張ったから…」
「ったりめぇだろ。せっかくのご馳走なんだ。
誰にも触らせねぇよ」