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贄姫
第2章 弍
ずいぶんと長い間そうされていた気がしたが
実際はどうか分からない。
時間の感覚が途切れるほど
椿の集中力は瓊乱の刺激で欠いた。
「お前、まだ男を知らないだろ?」
瓊乱の不躾な質問に椿はカッとなったが
言い返せずにいると
「図星だな」とた瓊乱がにんまり笑った。
「上等も上等。肉で言えば最高級だなお前は。
こりゃ、妖たちが放っておかない」
「肉に例えるなんて品がない男ね」
「品などなくて結構だ。
早く食べちまいたいが…熟成させた方が美味そうだ」
だけど、と瓊乱は椿の脚を開くと
その付け根にがぶりと噛みついた。
否、吸いついた。
「やめて! やだ、痛いってば!」
ぼかすかと瓊乱を叩くが
それに全く動じることはない。
さんざん吸って痛みが熱を持ってきた時
やっと瓊乱は椿を解放した。
「それくらいで恥ずかしがってちゃ
これから先が思いやられるな」
それに答えず、椿は返事代わりに
瓊乱の頬を叩いた。
「上等だよ…。見てろよ、そのうち、泣いて俺に懇願するようにしてやる」
瓊乱の宣戦布告に
椿は涙をこらえながら睨みつけるしかできなかった。