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贄姫
第2章 弍
その心地よい眠りが邪魔されたのは
何か重たいものが乗っかって来たからだ。
目を開けると瓊乱の美しい顔が飛び込んでくる。
その目はーーー赤い。
「重いわ。どきなさいよ」
その椿に動じることなく瓊乱は舌なめずりをした。
ゾッとするような美しさだ。
「どきなさいってば」
「いやだね」
手を出そうとしたが、
がっちりと頭上で瓊乱の手に押さえつけられていた。
蹴ろうとすると、その足を絡め取られて
いいように脚を開かされてしまう。
「ちょ、いい加減にしなっ…!」
最後まで言葉は発することを許されず
瓊乱の柔らかい唇に塞がれた。
す、と椿の身体から力が抜ける。
生気を吸い取られたのだと気付いた時には
熱いくらいの舌が入ってきて
艶かしく絡んだ。
「んっ…や、だ! やめて!」
ジタバタもがくと息切れする。
さらに脚までより拡げられて椿は焦った。
「弱っちいな、人間は」
瓊乱はもう一度唇を塞ぎ
さんざんいたぶるように口内を犯してから
椿の首筋に舌を滑らせた。