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贄姫
第2章 弍


瓊乱の舌が耳の裏を這った。
そのままかじられるように耳を舐められる。


「いや、やめて…離してっ…」


「ダメに決まってんだろ」


あんまりうるせーと口塞ぐぞ。
そう言って瓊乱は何もない空間から
シュルシュルと手ぬぐいを取り出した。
それをこよりのようにねじると
椿の口の中に入れて
抱き起こすとあっという間に口を縛った。


抱きとめたまま、首筋は隙なく舐め尽くす。
それに抗えないでいると、
後手に手首を縛られてしまった。


「これでその邪魔な手も口も出せねぇな」


椿の髪の毛を引っ張り上を向かせると
顎からのどを口づけを落としながら下り
鎖骨のくぼみをぺろっと舐めた。


そのまま布団に押し戻される。


「たまんねぇな」


胸元を躊躇なく拡げられて
椿の白い肌と胸が月明かりの下に露わになった。
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