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贄姫
第3章 参
憤る声がして、周の背後から突如
2つの影が彼の前に飛び出してきた。
1つの影は戦国武将のように鎧を身にまとった大柄な男で
背中に巨大な太刀を背負っていた。
もう1つの影は遊女風の艶やかな女で、
腰から十数個の生首を下げてパイプを咥えている。
「やめろ、鈴鹿(すずか)、葛(かつら)。
お前たちが太刀打ちできる奴じゃない」
『しかし…! 椿様をこやつは犯すなどと…!』
葛と呼ばれた女郎の顔がみるみると化け物じみてくる。
「退がれ」
その周の声に、2つの影はその場に固まり
瓊乱を睨みつけたまま、周の指示に従った。