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贄姫
第3章 参
「ごめん、俺がいたのに、こんな…」
椿は朦朧とする意識の中で
周の力強い腕と震える体の温もりを感じた。
「あ、まね…水…」
「水だな。千代菊、俺の水筒を持ってきて」
暗の森の湧き水が入っている水筒を
千代菊が取りに行っている間に
周は椿の両手を拘束したテープを外し
乱れた衣服を直した。
いたぶられたのか、
椿の白い肌のあちこちが赤くなり
胸は特に赤い痣が目立った。
妖も、そして自分も許せなくて
周は歯ぎしりした。
きれいに制服を整え、髪を撫でていると
千代菊が戻ってくる。
水筒を受けとると口に含んで
そのまま放心状態の椿の口に流し込んだ。