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贄姫
第3章 参
結局椿は相当な体力を消耗したらしく
5限まで寝込んで
周に付きそわれるような形で帰った。
ハイリも絋一郎も心配そうに見守る中
迎えに来てもらったら?というみんなの申し出に
割と大丈夫、なんて軽口を叩きながら
椿は帰って行った。
家に着くまでに3度休憩を取り
何が大丈夫だと周に叱咤されながら
椿は口を尖らせて周と紙の式に寄りかかって帰宅した。
「お風呂、入りたい…」
帰るなりそうそう
部屋には戻らず離れにある風呂場へと向かった。
「大丈夫かよ…?」
「うん、平気。ありがとう。
もう休んでいいから。あと、千代菊もありがとう」
椿が首から下げたしゃれこうべを周に返す。
そこからぽん、と千代菊が出てきた。
『いえ…わたくしは…』
「そうね。でもいいわ。次、もし何かあれば
すぐさまフォローしなさい」
そう言って微笑むと
ふらふらと風呂場に入って行った。
「あとは、式達に任せるか。千代菊、ご苦労。
帰っていいぞ」
『御意!』
千代菊がぽん、と消えて
あたりは椿の世話をする式達があちこちから
現れては着替えや布団の準備を始めた。
「俺も疲れたな…」
周も、部屋に戻る事にした。