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忘れられない指
第10章 選んだのは・・

今日は凌空もおめかししている。
ハチ公の横で互いの姿を上から下まで眺めまわす。
凌空は、ほとんど見せたことのない私のスカート姿に目を細めている。

「今日は一段と・・かわいいじゃん。
 こんなにおしゃれしてくるってことは・・
 悪い話じゃないって感じかな?」

「凌空さんはほんと、ポジティブだね」

「イイ言い方だな。お人よしのおめでたいヤツもポジティブなんて横文字にすると
 かっこよく聞こえるし、すっげえイイ人みたい」

笑いながら私の背中をそっと押し
ごったがえす交差点を逆方向に歩き出した。

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