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忘れられない指
第10章 選んだのは・・
結局30分待ったけど、凌空はイラつく様子はこれっぽっちも見せなかった。
一組進むたびに子供みたいに足を踏み出して一歩前に進み
常にしゃべるか笑うかしていた。

「凌空さんて努力家なの?」

「はぁ?なにその大げさな褒め言葉は?」

「だって、なにかをし続けるって結構大変じゃない?
 30分しゃべり続けるのだって、なにしゃべるか考えなきゃなんないし。
 飽きて嫌になっちゃう人だって結構いるのに・・」

そこまで言うと、凌空は照れ隠しのようにメニューを開いた。
まるで私が褒めるのをわかっているかのように。


「ね、どれがおすすめ?どれもウマそうで迷っちゃうよ」

凌空の言う通り、ここのタルトはどれも山盛りのフルーツがのっていて
心を惑わされないことはまずない、というくらい迷わされる。

「そうだ、違うのたのんで食べっこしよ!」

私はイチゴやブルーベリーや、
とにかくベリーとつくものがたんまりとのっているタルトを、
凌空はバナナやパイナップルや、まるでフルーツパフェみたいに
いろんなフルーツののったタルトを注文した。
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