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忘れられない指
第13章 スランプ
「彼と・・体の相性は抜群だった。彼とのセックスが大好きだった・・
 あんなに感じた男はいない・・後にも先にも・・」

「そんなに?どういうふうに?」

その質問に真奈美さんは声をあげて笑った。

「説明なんかできないよ!言葉でなんか表せない・・
 とにかく・・彼に抱かれてる時は気持ちよくて気持ちよくて・・」

私は孝明の指を思い出した。
真奈美さんの言うように、言葉で説明するのは難しい。
彼のがいい、そう簡単な言い方しか思い浮かばない。

「体の相性・・セックスも含めて恋愛だからね。
 そんなふうに感じることも当たり前かもしれない。だって、性の不一致で
 別れちゃう人だっているんだからね」

「え・・そんなことって、あるんですか?」

「そりゃあるよぉ。だってさ、必ず愛し合うだろ?男と女は。
 そこが合わなかったら一緒にいられないじゃん。
 でもさ、体バッチリなんて相手もそうそういないからね。
 それに好きって気持ちの方が圧倒的に大きいわけじゃん?
 橋本だってそうなんじゃないの?」

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