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忘れられない指
第15章 特別な日
余裕をかましているような凌空も、
ウェイターさんに注文する時は緊張からか言葉がつかえていた。

ワインリストなんて出されて固まっちゃって。
でもウェイターさんはそんな凌空の様子に気がつき
普通のドリンクメニューをすかさず差し出してくれた。

照れ笑いを浮かべながら、スパークリングワインのグラスを2つ頼んだ。
料理はコースで。
どのコースがいい?と私にメニューをむけたので、
一番下に書いてある一番安いコースをにっこりしながら指差した。

かしこまりました、とウェイターさんが戻っていった後
2人して大きなため息をついた。

「凌空さんたら、そんなに緊張するんならもっと普通のお店にすればよかったのに」

「そーだけど!でも今日は・・
 特別な日だから・・ちょっと奮発したんだよ」

たしかに、20代最後の誕生祝だから特別、と言ってもおかしくないけど・・

それに、私がプレゼントの入っている袋をぶら下げているのは当然として、
なんで凌空まで小さなプレゼントらしき袋を持っているのだろう・・・?

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