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忘れられない指
第16章 祝福の裏で
それに比べて・・
孝明のうるんだ瞳で作る笑顔が私の涙を誘った。
「おめでとう、凌空、咲ちゃん・・
なんか、オレのほうが泣きそうだよ・・」
祝福してくれた。
感動を前面に押し出したような顔で私たちの報告を喜んでくれている。
でも・・
私は見てしまった。
孝明の目から小さな涙が滑り落ちたのを・・
もしかしたら・・
もしかしたら・・あなたは・・・
「咲子ちゃん、凌空くんなら安心してついていかれる男だから、何も心配しないで。
凌空くんも、咲子ちゃんはキミをしっかりと支えてくれるよ。
ちゃんと奥さんの役目を果たせる女性だ。2人とも、ほんとうにおめでとう」
慎介さんの声が、私を孝明から引き戻した。
慎介さんは手を差し出す。
まずは凌空と握手をし、次に私も立ち上がってその手を握り返した。
思えば、すべてはここからはじまった。
マスターに恋をして、この店に通い続けて、この3人と仲間になり、
最終的に凌空という人生のパートナーと結ばれた。
孝明のうるんだ瞳で作る笑顔が私の涙を誘った。
「おめでとう、凌空、咲ちゃん・・
なんか、オレのほうが泣きそうだよ・・」
祝福してくれた。
感動を前面に押し出したような顔で私たちの報告を喜んでくれている。
でも・・
私は見てしまった。
孝明の目から小さな涙が滑り落ちたのを・・
もしかしたら・・
もしかしたら・・あなたは・・・
「咲子ちゃん、凌空くんなら安心してついていかれる男だから、何も心配しないで。
凌空くんも、咲子ちゃんはキミをしっかりと支えてくれるよ。
ちゃんと奥さんの役目を果たせる女性だ。2人とも、ほんとうにおめでとう」
慎介さんの声が、私を孝明から引き戻した。
慎介さんは手を差し出す。
まずは凌空と握手をし、次に私も立ち上がってその手を握り返した。
思えば、すべてはここからはじまった。
マスターに恋をして、この店に通い続けて、この3人と仲間になり、
最終的に凌空という人生のパートナーと結ばれた。