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忘れられない指
第17章 終わるための罪
「抱かれたから好きになったって思われるのが恥ずかしかった・・
 本当に心から好きになっていくのか、わからなかった・・
 もしも孝明さんから好きって言われてたら・・」

これこそが人任せだよね、と自分を笑った。

体を震わせて笑う私の背中を、孝明の手が押さえつけた。
少しずつ強くなる力・・

「自分の中でけじめをつけるために・・
 あなたとずっと友達でいつづけるために・・
 最初で最後、私は凌空を裏切ります・・・」


いくら結婚前とはいえ、
生涯のパートナーと決めた相手がいるのに別の相手を求めるのは
大きな罪作りだ。
二度とその罪を犯さないよう、あえて自分に罰を与える。

それが孝明を求める、という事・・

体を離し、部屋の中へと誘う。
暗い部屋の真ん中で、ドアの前にたたずむ孝明をひたすら見つめる。
もしかすると彼は出ていくかもしれない、そうも思った。
だが孝明は、私のもとへと近づいてきた。
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