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忘れられない指
第19章 突然の・・
「なんだよぉ!たった2年だぞ!
 国際事業部なんだからさぁ、海外赴任はつきものだ。
 いずれまわってくるんだから。帰ってきたらまたこの町に戻ってくるよ。
 だからお前らもこっから離れんなよ!」

孝明の、不自然なほどの明るさに気づいているのは私だけだろうか。
男2人はただただ寂しがっているが、
私には孝明のほうがよっぽど寂しがっているのがわかる気がする。

「そうだよね、2年したら帰ってくるんだもんね。
 私たち、待ってるよ。
 新居もこのへんにしようって、決めてるから。
 だから孝明さんもちゃんとここへ戻ってきてよ」

私はこれでもかと明るく振る舞った。
孝明のためにも、私は笑顔を見せよう。
彼が安心してこの町を離れられるように。

そんな私につられるようにして凌空も史彦も笑顔を取り戻した。
いつものように、
賑やかな声をあげて孝明の未来を応援した。
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