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忘れられない指
第4章 決意、そして失恋・・
これが凌空の性格なのだろう。
黙りこくっている私に次から次へと話しかけてくる。
まるでラジオみたいに、
凌空の声は私の耳元に流れ続ける・・
「ねぇ・・咲ちゃん・・
咲ちゃん、慎介さんの事、好きだったんだ・・」
「えっ?」
足が止まってしまった。
前に一歩が踏み出せない。
凌空には、わかったんだ、私の気持ち。
答えないでいると、凌空は大きくため息をついてから、そっか、と夜空を見上げた。
その横顔を見つめながら、うん・・と小さく答えた。
「そう・・・
ねぇ、来週さ、オレんちで酒盛りしない?
史彦と孝明と4人でさ。持ち寄りパーティーなんてたまにはいいじゃない?」
凌空は、私の失恋については何も言わなかった。
マスターのことも・・