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忘れられない指
第4章 決意、そして失恋・・
「ちょっと気分を変えれば気がまぎれるかもしれないよ。
 それに・・
 シークレットじゃ話しづらいだろ?
 来週の土曜日、いいね?」

言葉にはしなくても、これが凌空なりの慰め方なのかも、と
ありがたく受け入れることにした。


アパートの前まで来ると凌空は、
私の肩に手を置いて、少しの間黙って見つめていた。

このあと・・彼の手は別の動きをするんだろうか・・
ふと頭をよぎった。

「元気だしなよ、咲ちゃん。
 来週オレらと騒いで吹っ切って、またシークレットに通おうよ、ね?」

あったかい言葉に涙が一粒、流れた。
凌空にしっかりと見られてしまった。

彼は私の頭をクシャクシャに撫でまわしてから
おやすみ、と背を向け来た道を戻っていった。

その後ろ姿を眺めていたら、もう一粒、涙が落ちた。
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