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忘れられない指
第7章 思いがけない誘い
ランチの後、いろんな店を見て回った。

お気に入りの服がそろっているセレクトショップやインテリア雑貨の店。
ちょっと敷居の高い骨董屋までのぞいてみた。

素性を明かされてからの凌空との会話は、今まで以上に話が弾み楽しさを増した。

このデザインのポイントはここだよ、とか、
このソファなら自分の部屋に合う色だな、とか。
こんなに話が合うのならもっと早く言ってくれればよかったのに、と
時折触れる二の腕を思いっきりたたいた。

痛ってぇ!と顔をしかめながらも、その眼差しはすごく優しい。
それにいつになく・・かっこよく見える・・


日が落ちてきたことと、歩きすぎて疲れたこともあって
初めて通った裏通りにあった喫茶店に入って休むことにした。

少し暗めの照明は、時間帯に合わせたのだろうか。
大人が落ち着いてコーヒーを飲む。
そんな場面を想像させる様な灯りだった。

クラッシック音楽が霧のように流れる中、
向かい合って座った凌空がいつも見せるのとは全然違う、静かな面持ちで話しだす。
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