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忘れられない指
第7章 思いがけない誘い
「あのさ・・今日は話したい事があって誘ったんだ・・」
「え・・?なに?」
何度も膝を撫でながら、前かがみで顔を見せないでいる凌空。
そこへコーヒーが運ばれてきた。
ここのマスターも、慎介さんみたいな大人の髭面だ。
その人の後姿を見送っていると、咲ちゃん、と名前を呼ばれた。
「・・今すぐじゃなくていいんだ・・」
「え?なにが?」
「だから・・その・・気持ちが落ち着いたらでいいから・・」
「だから、なに?」
あまり大きな声はふさわしくない。
この店の雰囲気を壊さないように、凌空に顔を近づけて聞き返す。すると・・
「付き合ってほしいんだ、オレと・・」
顔をあげ、しっかりと私の瞳をとらえている。
吸い込まれそうなほど透明な眼に、私は動けなくなった。
そして言葉を失った。
彼の言いたい事はすぐに理解できた。
私のことを好いてくれているんだ。
彼女になってほしいって、そういう事。
慎介さんの事が好きだったのも承知したうえで、告白してくれたのだという事も
よくわかっている。
凌空のようないいオトコに想われているなんて嬉しい・・でも・・・
「え・・?なに?」
何度も膝を撫でながら、前かがみで顔を見せないでいる凌空。
そこへコーヒーが運ばれてきた。
ここのマスターも、慎介さんみたいな大人の髭面だ。
その人の後姿を見送っていると、咲ちゃん、と名前を呼ばれた。
「・・今すぐじゃなくていいんだ・・」
「え?なにが?」
「だから・・その・・気持ちが落ち着いたらでいいから・・」
「だから、なに?」
あまり大きな声はふさわしくない。
この店の雰囲気を壊さないように、凌空に顔を近づけて聞き返す。すると・・
「付き合ってほしいんだ、オレと・・」
顔をあげ、しっかりと私の瞳をとらえている。
吸い込まれそうなほど透明な眼に、私は動けなくなった。
そして言葉を失った。
彼の言いたい事はすぐに理解できた。
私のことを好いてくれているんだ。
彼女になってほしいって、そういう事。
慎介さんの事が好きだったのも承知したうえで、告白してくれたのだという事も
よくわかっている。
凌空のようないいオトコに想われているなんて嬉しい・・でも・・・