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忘れられない指
第7章 思いがけない誘い
「今すぐ返事くれなくてもいいよ。オレだって・・
 悪いと思ってる・・慎介さんの事があったすぐ後に
 付け込むみたいにこんな事言うなんて・・
 でも、これがいいきっかけになったとも思ってる。
 いや、今言っておかないと別の誰かに・・」

ドキッとした。
まさか・・孝明のこと?

思わず視線を逸らした。

「咲ちゃんの気持ちが落ち着いて、それだけじゃない、オレのこと・・
 彼氏にしてもいいって思えたらその時、返事くれればいいから」

意外だな・・それが最初に頭に浮かんだ言葉。
いつもの凌空、3人の中でいちばん明るくて一歩前に飛び出てて、
自分の感情まかせの声で話す、そんな凌空とは別人みたいだ。

ゆっくりと事を進めるつもりだ、と付け加えた凌空を見つめる私の心は
ふり幅小さくだが確実に動いた。

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