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泣かない!
第1章 殺す価値ありな男達
―-締め日
「たー君(新人)、ドンベリちょーらい」
「千鶴さん、本当にすみません。主任を指名した方でリジャールが出たんで……ドンベリでは主任をクィーンからプリンセス(一般席)には戻せません」
新人が私に土下座します。せっかく、お金を貯めてきたのに……。よりによって、あの社会保険適用外デブにたくみを独占されたのです。
「あのデブ……」
「たくみさんから手紙を預かってます」
「えっ?」
私は受け取った手紙を読みました。
『心は千鶴の席からずっと動かないから、俺にとって千鶴だけが特別です』と書かれていました。

「…………たー君…」
「はい?」
「リジャール」
私は借金覚悟で注文しました。別にH|Vにかかってるわけじゃない。まだ稼げる!
「……ダメです。主任から止められてます」
「あのブタと一緒にいたってリジャールだけで、あとは金にならない薄いウィスキーの水割りを飲まされるだけよ。ブタと飲みたいの?」
あのブタはリジャール1本でいきがってるだけ。
「主任は千鶴さんに無茶してほしくないからですよ」
「たく(たくみ)がそう言ったの?」
「そうは言ってませんが…明らかに千鶴さんと一緒にいる時の主任は、他の女の子といるときと表情が違いますから……なんつーか、癒されてるというのか……」
「いつまで、立たせてる気? クィーンに案内して、リジャールとドンベリを持ってくるのがあなたの仕事よ。足が痛くなるから早くして」
「……わかりました。
リジャールとドンベリダブルで入りまぁぁぁぁぁぁす!!千鶴さんをクィーンにごあんな~い!」
すると、No1を含む男達が一斉に立ち上がり、エスコートし始めました。クィーンが……本当はプリンセス気分のほうがいいけど、シュヴァリエにエスコートされプリンスのもとへ向かうように。
ブタは納屋に行け。

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