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Love Emotion
第6章 おつかれさま
他の人が担当だったら、もしかしたら仁木さんは食べられたかもしれない。
もっと安楽に過ごせたかもしれない。
私は、何も出来なかった。
鍵を持ったまま手が止まる。
(…あ、まずい)
心が、急速に墜ちていく。
目の前がぐらぐらと揺れる。
「…っ」
仁木さんが亡くなって、勝手に感傷的になっているだけだ。
そう自分に言い聞かせてみるが、墜ちる速度は変わらない。
自分ではコントロールが出来ず、どうしようもなくなっていた。
粒の大きな涙がぼろぼろと零れてくる。

「――三崎さん?」

耳にするりと入ってきた声にはっとして顔を上げると、森山くんの姿が目に入った。
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