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MY GIRL
第9章 過去と葛藤
「…で?話って?俺の美咲を好きになった理由聞きたかったのか?」

「…いや。美咲と俺の過去…話そうと思って」

色々引っかかるが…涼太なら、大丈夫だろう。

「長くなんだけど。話して…いい?」

「あぁ。聞きたい」

フェンスから身体を起こして胡座をかいて俺を見つめる涼太に、頷いた。

「俺さ、美咲と小学からずっと一緒なんだけど。

あの性格は昔っからで、ほとんど変わってない。

モテてんのに全然気付いてなくて、媚売らなくて、いつも友達周りにいっぱいいた。

…ほんと、モテてた。

男にも女にも。

ファンクラブあったくらいだからな、…いやあれは親衛隊か?美咲を守ろう、みたいなさ。

そんなだから、告白されまくりだろって思うだろ?

…それがほとんどいねぇの、訳ありで」

「…は?何で」

「…美咲にさ、中2の後半から中3の夏休み入る前まで、彼氏がいたんだ。

美咲、頭良くて、運動神経もよかったから…陸上の選手に選ばれてさ。

小4の時から俺と美咲と、あと男女2人ずつで陸上選手として色んな大会出てたんだけど、美咲の順位も評判も凄かった。

スカウトされまくってたからな、俺が阻止したけど。

4年から6年の時は、競技全部一緒だったし俺が美咲にべったりだったから、周りから勝手にカップルだって噂されて俺、浮かれてたんだけど…中学に入って、競技場での合同練習の時。

バス降りて、俺がトイレ行ってる間にいなくなっててさ、美咲。

マジで焦って…探し回ってたらさ、知らねぇ男と手ぇ繋いで歩いてきて、

「付き合うことになったんだ〜」

って。

そいつ俺らの1つ上で、かなりイケメンで。

しかも、短距離走俺と1位2位争うライバルでさ。

俺を鼻で笑って、

「俺が幸せにするよ」

って目の前でキスしやがって…

だから俺、ムカついて…今まで以上に練習量増やして努力して、俺が出る種目全部1位取った。

けど、その間に美咲とその男、どんどん距離縮めていってて…

すっげぇ幸せそうにしてたの、その時は。

あの可愛い笑顔でさ?

「幸せだよ」

って微笑まれて。

…俺も彼女作ろうかと思ったわ、作らなかったけど。


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