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MY GIRL
第9章 過去と葛藤
知ってるやつは知ってんだけど…暗黙の了解で、誰1人そのことを美咲に言うやつはいなかった。

そんな時…すっげぇ突然。

いきなりそいつが高校辞めて、神戸引っ越すって言い出して美咲に別れ告げた。

「ほんとは美咲のこと連れて行きてぇしぜってぇ離れたくねぇけど、俺浮気する自信しかねぇから別れよ?お前に振られたってことにしとくよ。高校でいい恋しろよ?美咲ならぜってぇすぐ男ひっかけると思うけど」

って、皆の前で超濃厚なキスして、すっげー綺麗な笑顔浮かべて…帰ってった。

で、美咲に見送りも頼まず引っ越してったんだと。

美咲、それからしばらく泣いてて…それを、俺が支えてた。

その内、だんだん笑顔戻って身体の傷も少なくなって、勉強頑張ってここ受かって。

んでまあ、俺の知らない内に高宮先輩の彼女になってて今に至る、という感じ。

俺、結構美咲から相談受けてたんだ。

学校以外では監視なかったから、あいつと会わない日は毎日家に行って慰めて、話聞いてやってた。

その内、俺のこと好きになってくんねーかなって…

…だけどあいつ、俺のこと男として見てねえの。

いつまで経っても、幼なじみのままなんだよ…」

身体の関係についても、話すつもりだけど。

まだ何となく黙っていたかった。

「…俺が幸せにしてやりたかった。

してやれると思ってた、美咲が高宮先輩と付き合うまでは。

あれだけ多くの男から告白されて、だけど耐えられなくてすぐ別れてた美咲が、女嫌いの高宮先輩と付き合ったって聞いて。

あの時俺、またすぐ別れるだろうなって思ったんだよね。

女嫌いならろくにセックスも経験ないだろ?

また束縛とか何とかされてすぐに別れるだろうって思ってたのに、高宮先輩と付き合ってから美咲、どんどん綺麗になって、いつも幸せそうで。

あんな美咲、初めて見た。

今まで、ずーっと美咲だけを見てきたけど…あんな可愛い顔、見たことなかった。

邪魔しちゃいけねえな、って思ってしまった。

だけど、だからって…高宮先輩と幸せそうに笑ってる美咲を指咥えて見てろっての?

そんなこと出来ねぇよ、奪いてぇんだよ、俺…」


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