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MY GIRL
第9章 過去と葛藤
「さあ。とりあえず自立したくて」

「自立してんじゃん」

「俺の金じゃねーからな。自分の金で自立したいんだよ」

「それ言うだけでたいていの女はおちるぞ」

「美咲はおちなかったんだよなー…」

「…え」

「あいつの彼氏がもっとすごいから」

「高宮さんはそれ以上ってこと?」

「○○大学って知ってる?」

「ああ…あの東京の国立?」

「そう。そこの経済学部」

「…2人共すげぇな」

「何がすごいかって、大樹の場合、大学側から推薦がきたこと。あいつ外国語がとにかくすごくて、高1からずっと翻訳のバイトしてんの。そのバイト元がその大学の教授だったらしいんだけど、試しに大樹に期日短い分厚い資料の翻訳依頼したら、たった1日で翻訳して送り返したらしくて。その能力買ってもらったとかなんとか…大樹言ってたな」

「…すごいな」

「すごいよなー…高校生のすることじゃねえ」

「そこに美咲は惚れたのかな」

「いや、それは違うと思うけど。俺が言いたいのはつまり、お前も自分に誇れる、自慢できるような何かを1つでも作れってこと。それだけでも印象だいぶ違うと思うよ」

やたら説得力のあることを呟いて、長い足を組んで目を閉じる涼太。

告白をしてた、されてた男女はいつの間にかいなくなっていた。

そして、5限目の開始を知らせるチャイムが鳴り響く。

あー…始まっちまった、授業。

「…いいの、5限目」

「こっちのセリフでもあるけど…俺はいい。どうせ自習だし」

俺に至っては何の授業だったかすら覚えていない。

夢中になれるもの…強いて言うなら美咲のこと、だけど。

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