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MY GIRL
第10章 熱
休み時間もぼーっとしながら過ごし、2限目の英語。

更にやる気が出ない。

俺、

「日本人は日本語喋るべきだ」

とか何とか、美咲に言ってたな…

でもあいつ英語無駄に出来るんだよな、理系の癖に。

…理系文系関係ねぇか。

ちらりと隣の席を見つめ、小さくため息。

同じクラスで席が隣って、凄ぇ嬉しいけど…ぎくしゃくしてる時とかハンパなく気まずいよな。

なぜかこの学校は、縦からではなく横から出席番号順に並んで座る。

矢野と吉岡で、クラスに俺らの中に入る名字のやつがいなかった為、必然的に俺らは一番後ろで隣。

入学式ん時…クラス表の前でもガッツポーズして、教室でもガッツポーズしたな、懐かしい。

しかも、1年の間は席替えがなく、2年でクラスが変わるまで同じらしい。

…最高、だったんだけどな、あの図書室での事件までは。

それから一切話しかけてくれなくなったんだよな。

ペアワークとかはしてくれるけど、夫婦漫才なんて言われてたやり取りは勿論しなくなり、休み時間も友達ん所行くし、移動教室も友達と行くし。

…そんな関係が、更に悪化するような事しちまったんだよな、俺…

それ以上って何なの?

先生に頼んで席変えられるとか?

つっら…

また机に何も出さずにいると、入り口近くのやつが何やら小さく騒ぎ出した。

何だよ…うっせぇ。

そう思ってると、額に熱さまシートを貼った美咲が入ってきた。

驚いて目を見開く。

前言撤回…そりゃ騒ぐわ。

「おはよーございますっ」

と美咲が言うと、クラス内から

「よっしゃぁあ!我がクラスのアイドル、おはよー!」

「いぇーい!待ってましたぁ美咲ちゃぁあん」

なんて声が聞こえて、きょとんと首を傾げてる美咲。

「お願いします」

と先生に遅刻届を渡してる。

「あれ?吉岡さん風邪って聞いたけど大丈夫?」

「はい!でも下がったので来ましたっ」

そうう笑顔で言って、周りの奴からされる挨拶を笑顔で返しながら歩いてくる。

「美咲…、おはよ」

恐る恐る挨拶をしてみると、最近は会釈だけだったのに、可愛い笑顔で返されて面食らう。

ま、…っじですか。

やっべぇ、顔緩む!

ハンパねぇ嬉しさを懸命に堪えて、授業を受ける美咲の横顔を眺めてた。


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