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MY GIRL
第10章 熱
相変わらずだな、この先生。

教室に入り、号令を終えると、名簿を見ながら先生が呟く。

「欠席は…吉岡だけだな」

やっぱ欠席か…

「今日もかよー。元永ちゃーん、美咲ちゃん何で欠席か知らねぇのー?」

「元永先生と呼びなさーい。風邪だと〜」

…風邪か、明日は来るかな…

「マジかよ、見舞い行きてぇ〜」

「看病して〜」

「美咲ちゃんから風邪貰いて〜」

口々に呟く男子達。

美咲、ほんと人気だからな。

今は高宮先輩のもので、お互いかなり有名だから誰でも知ってるだろうだけど…それでも奪おうとしてるやつはかなりいる。

…前の俺らみたいな。

普通に告白してるやつもいるし、まだ諦めてないやつもいる。

これからは…何があっても美咲を守る。

絶対に。

怪しいやつがいないか、俺も見張らなきゃな。

HRはすぐに終わり、先生が教室を出たのを確認して机の中からスマホを取り出してメールを送る。

「美咲、風邪で休みらしい」

丁度開いてたのか、すぐ来た返信。

「分かった。じゃあ明日だな」

内容を見てスマホを奥に突っ込む。

美咲がいない日って、ほんとテンション上がらない。

俺だけじゃなくてクラスの皆もだし、美咲を見に来るやつらも残念そうに帰っていく。

いるだけで周りに元気と癒しを与えるやつだからな美咲…

…思えば美咲に彼氏が出来たって噂、すぐ流れて広まったな。

凄いカップルだからな、あの2人。

目を合わせるのも、同じ空間にいるのも嫌な位女が嫌いらしい高宮先輩。

彼氏と別れて以来、どんなやつからの告白も断ってきた美咲。

どこでどういう出会いをしたのかは知らない。

でも、凄い事だと思う。

2人が惹かれ合うなんて。

高宮先輩が美咲を見る時の、愛しい、って気持ちがこもった優しい眼差し。

俺が知る限り元彼に向けられる事はなかった、美咲の心からの笑顔と甘え。

…俺が彼氏だったらどうだったんだろう。

俺がもし、高宮先輩より先に美咲に告白したら…

「こら、矢野。吉岡が欠席で寂しいのは分かるが、授業始まってからもずっと席眺めてるのやめろ。あと教科書出せ」

「…」

…そうだ、今授業中だった。

「…はぁ」

男子達からの冷やかしと、一部女子からの睨み。

それから逃れるように、残り15分程の授業を突っ伏して過ごした。


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