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MY GIRL
第16章 東京
「大樹がいいって言ったらいいもん…」

「あ?大樹さんも俺に同意するに決まってんだろ。着いたら聞いてみろよ」

「えー?意味分かんない…」

「…分かんなくていいよもう。1人で電車乗りさえしなければ」

「ねぇ、何でダメなのー!?地元のは1人で乗ってたじゃん!」

「あれはローカルだからいい。東京のはダメ」

「…今日の蒼汰へーん」

「俺はいつも変ですよーだ」

「何怒ってんのー?」

「怒ってねぇ!」

面白いなぁ…頭のネジ何本か飛んでっちゃったのか?

切符を通して改札を抜け、駅の外に出た。

「…へぇ、こんな所か」

「住宅の密集地だよね〜」

「道複雑そう…。…で?どれなの」

「ふふん!あたしに付いてきて〜」

「おぉ…とうとう美咲に案内される日が来たか。不安だな〜」

「えぇ?ひどー!」

「大樹さんに迎えに来て貰った方がいいんじゃね?お前方向音痴だったろ?迷いそう」

「何その言い方ぁ」

「だって美咲だもん」

「酷いー!もう知らないっ」

「はいはい、ごめんごめん」

蒼汰の手を振りほどいて歩き出すあたしを追ってくる蒼汰。

再び手を繋がれ、ムスッとしながら握り返す。

「…ねぇ何で手繋いで歩くの?」

「俺らがイチャラブカップルだって事周りに見せつける為。…おっと、離さねぇぞ」

「カップルじゃない〜〜〜」

「じゃあ腕組んでよ。それならいいだろ?」

「よくないし!」

そんな事を言い合いながら歩いてると、大樹のマンションのエントランス前に着いた。

「うわ…、でっけぇな…?ちょ、待ってよ。こんなでっけぇ所に住んでんの?大樹さん。マジでヤリ手の大学生臭ハンパねぇな」

「蒼汰もそう思う?部屋も凄く広いんだよ」

「だろうな。つーかこれ何階まであんの。…42!?」

「芸能人も住んでるんだって。エレベーターで俳優の○○に会ったって、この前サイン見せて貰ったよ〜」

「…、○○いるのも凄いけど、サイン貰う大樹さんとか想像出来な過ぎて凄いな」

「今では友達だって」

「…ねぇ怖い!何で!?何で友達なれんの!?」

「そのきっかけ聞かなかったな〜」

「ちょ、聞いといて。俺も参考にするわ」

「分かった〜」

言いつつ階段を上ろうとすると、後ろから腕を引かれて止められる。


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