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MY GIRL
第6章 涼太
付き合い始めて2週間目の放課後。
「ねぇ大樹、これどうやって解くのかなぁ。教えて~」
数学で分からないところを大樹に見せる。
「どれ?…あーこれはこの公式使うんだよ。それぞれ数字当てはめてみ?」
「えーと…これがここで、…こう?」
「惜しい。よく文章読んでみな」
「…あっ!こうだ!解けたっ」
「ここの分野はこの公式3つのどれかだから、あとは文章よく読んで解いたら取れるよ」
綺麗な分かりやすい字で、サラサラと余白に公式を3つ書いてくれる大樹。
「ありがとう大樹…」
「どういたしまして」
優しい笑顔を向けられ、嬉しくて大樹の肩に頭を預けた。
大樹にとっては2年前の範囲なのに、問題を一目見ただけで公式思い出すなんて、かっこよすぎる…
書いてくれた公式、絶対消さないでおこうっと。
にこにこと大樹を見つめると、大樹は優しい表情を浮かべてあたしを見つめ返してくれる。
すると。
「…なぁ大樹」
「…あ?何だよ涼太(りょうた)」
隣の席からずーっとあたし達のことを見ていたかっこいい男の人が話しかけてきた。
「や…凄ぇ美男美女のバカップルがいるなーと思って呼んでみたんだけど」
「バカップル?」
「お前に彼女?…本当に大樹か?そのうち槍でも降ってくんじゃねぇの。普段のお前と態度違いすぎんだろ、怖えし異世界にいる気分」
「…失礼だな。美咲は特別なんだよ」
「…特別ねぇ」
ここは3年1組。
いつもなら放課後トークしてる時間帯だけど、テストが近い時期はここに来て勉強を教えて貰うことになった。
「美咲。こいつ、立石(たていし)涼太」
「あっ…初めましてっ。吉岡美咲っていいます」
「初めまして。大樹の彼女なんでしょ」
「…えへへ、はい…」
「君と付き合ってからこいつさぁ、勘弁してほしいくらいずっと惚気けてくんの。めっちゃデレデレだよ」
「えぇっ…」
「でもほんと可愛いな、噂通り。何食ってそんなどえらい可愛い顔面なったの?」
話し方にちょっと関西弁が混ざってるな。
「…あ?お前が女に興味持つなんて珍しいな。どっか打ったか?」
「…その言葉そっくりそのまま返すわ。お前こそどうした、いきなり彼女作るなんて…女嫌いじゃなかったんか?」
「美咲は他の女と違う。言ったろ、特別だって」