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純潔の嫁
第2章 過去の世界
俺はハッと気付くとダンプの運転席にいた。コンビニの駐車場だった。
すぐにケータイを取り出すと、15年前の世界だった。この時の俺はトレーラーの運転手でもなく、砕石運びでもなかった。夜間も働いた長距離のダンプ乗りだったんだ。
俺はよくコンビニで仮眠していた。それには駐車場の問題もあったが、もうひとつ大事な理由がある。援助交際だ。
駅前にはギャング。コンビニには暴走族の女がたむろっている。そいつらにナンパのように声をかけ、車内に連れ込み座席の後ろにある仮眠スペースでエッチなことをするのだ。コンニチでは出会い系サイトが主流だが、この時はナンパやテレクラが主流だったんだ。
「時間は……夜の7時か……」たしか、悪魔は未来を変えられない過去は運命と言っていたな。恐らく、現実感溢れるこの世界も夢なのかもしれない。悪魔には夢魔っていう下級の悪魔がいると聞いたことがある。たぶん魔力で夢でも見せられているのだろうか?それにしては現実味がある。
とにかく久しぶりの30歳の体は快適だ。この時はまだけん引結合部の衝撃で腰もやられていない。
「ど~れ、どうせすぐに現実世界に戻されるんだ。この世界でレイプ事件したって俺は逮捕されねぇから、援助交際でもするか」
財布を見ると3万ある。コンビニのATMでたっぷりと金をおろして、ハードな援交をしようと思った。車から降りて金を20万おろして現金のままポケットに押し込んだ。
そして、セーラー服のロングスカートで金髪でタバコを吹かしながらスクーターに跨るガキを見つけた。他にもやんちゃな女の子がチラホラいたが仲間ではないようだ。この時代は、まだこんな硬派なヤンキー少女がいたもんだ。

「お姉ちゃん、ちょっと遊ばないか?」
俺は財布ごと、ガキに渡すと、
「なんだこれ、くれんの?」
見た目は中3か高1といったところだろう。無免許でもヤンキーはバイクに乗る。
「俺は温かい缶コーヒー。お姉ちゃんも好きなジュース買って来いよ。あそこにとまってるダンプの中にいるから」
そう言って俺は車に戻った。別に盗まれてもいい。ダンプで追いかけて跳ね飛ばしてやる。この世界ではなんでもやりたい放題だからだ。
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