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遅すぎた恋
第1章 失恋を癒すのは…
「コーヒーでも奢るよ。何がいい?」
目の前の自販機にお金を入れ
こちらを見る悠人。
「なら…微糖で…。」
そう言うと彼はボタンを押し、
下に落ちたコーヒーを少し屈んで取る。
それを、私に手渡すと同時に…
「で…あのコート誰の?」
そう言った。
少し戸惑った私はコーヒーを乗り損ない…
コロコロと缶コーヒーは転がっていった。
「…昨日ね、雨すごかったじゃない?
知らない男の子がかけてくれたの」
コーヒーを拾いながら隠すことは何もないと…
悠人に本当のことを言った。
「へぇ…そんな奴もいるんだ。」
コーヒーのプルタブを開ける音が響く。
…少しの沈黙がなぜかとても重い…
どうしようかと考えていると…
オフィスの入り口で奈々ちゃんが叫んでいた。
「田崎さーーん。お電話です〜」
「あぁ、今行く!」
沈黙が破られ、二人してオフィスへと戻った。