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遅すぎた恋
第4章 思えば思うほど…
気まずさが先立ち、食事中も私達は
話すこともなく黙々も箸を進める。
カチャと時折食器の音がする。
テレビがうるさく一人で話している。
隣の彼は聞いているのか…
時々、画面に目を向けては小さく笑うのみ。
「ごちそーさま。」
隣で顔の目の前で手を合わせ
食器を重ねていく飛鳥君。
その声にでさえビクッと反応してしまうのは…
私は初体験もまだのお子様のようだった。
「…ねぇ、桜さん。
今日、泊まってかない?」
首を傾げ、こちらを見ている飛鳥君。
ードクンっードクンっと
胸が痛いほどに打ち付ける。
我慢が出来ない…と言われたばかり
察しのいい大人の女なら…
何を言われているのかすぐにわかる。
「…別にいいけど…着替えとか…」
「……コンビニいく?それとも一度帰りたい?」
時計に目をやる。
そんなに遅くはない時間。
私は一度、明日の仕事の服も取りに帰るために
帰宅することにした。