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遅すぎた恋
第1章 失恋を癒すのは…
「こんばんは〜!お姉さん。」
…やっぱり…
「こんばんは…どうしたの?」
「名前…聞きたくて。」
「えっ?聞いてどうするの…?」
「どうもしないですよ…いつまでも
お姉さんって呼ぶの嫌だから。それだけ。」
「名前を聞くときは…」
そう言いかけると…
「俺、神崎飛鳥。…自分から名乗れ?でしょ?」
電話の向こう側でフフフと得意気に笑っている。
「…ハァ。…二宮 桜。」
「桜さん!!可愛い名前っ!」
「…どうも…」
…コートを返すまでよ。辛抱…辛抱。
「桜さん…デートしてよ。」
…は?は?
何て?
…この子は何を言っているのかしら?
聞き間違い…じゃないわよね。
「コート返す時にお礼として俺とデートね!
よろしく!さ・く・ら・さん!」
私が何かを言う前に、もう電話は切られていた。
「デートって…何言ってるの…あの子…」