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遅すぎた恋
第1章 失恋を癒すのは…



「コート返さなきゃいけないしね…」


番号を伝えると、スマホを素早く操作し
私へと電話をかける。


私の携帯が鳴ったのを確認すると
すぐに電話を切った。



「じゃあね、お姉さん。

あっ、ぶつかってすいませんでした!」



悠人に頭を下げると彼は
走るように去って行ってしまった。




「桜…あれは高校生だったな。」


「そう見たいね…わからなかった…」


「番号…聞かれてどうすんだよ…?」


「コートを返すから仕方ないでしょ?」


「ふーん。」




冷静を装ってはいたが…

まさか高校生だったなんて…



…別に…これからどうなるわけでもないしね…







家に帰ると…携帯には不在着手が入っていた。


どうせ悠人だろうと、携帯を見ると…

まだ登録されていない番号。



でも…見覚えのある番号だった。




「まさか…?」



恐る恐るリダイヤルをすると…

電話の相手の声がすぐに聞こえた。



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